下記のボタンで、条件に合う職業を絞り込めます。1 つの分野のみ選択できます。他の職業に選び直す時は、ボタンを押し直してください。
取材協力 キャットミュージックカレッジ専門学校
PAエンジニアは、コンサートやイベントなどで音響を担当し、観客にアーティストの演奏する音やボーカルの音を、より良い状態で届ける仕事です。会場によって環境が異なるため、その場で最適な音作りをしていきます。コンサートの前日から仕込み(機材の準備)をし、アーティストがリハーサルを進められるようにセッティングします。観客へ音を届けるのと同時に、実際にステージで演奏するアーティストにもしっかり自分たちの演奏が聞こえるように調整をおこないます。年間を通して、フェスなどが多く開催される夏が繁忙期になりますが、コロナ明けからコンサートやイベントもまた増えたため、比較的年中忙しくしています。野外だと天候にも左右されるので熱中症対策や防寒対策を万全にし、体調管理をきちんとおこなうことも大切です。
もともと高校時代に軽音楽部に所属しており、ギターを演奏していました。軽音楽のイベントで自分たちの演奏をスタッフの方たちにサポートしてもらう機会があり、普段自分たちが学校の部活動で演奏している音との違いに驚きました。それからPAに興味を持ち、ステージの上で演奏することも好きですが、アーティストを支え、音作りをするPAスタッフになりたいと強く思うようになったことが、この仕事を目指すようになったきっかけです。
PAエンジニアの仕事を始めて心掛けていることは「環境に最も適した音づくり」という事です。その日行く先々で天候や気温に合わせて最も合う音を作り上げていきます。音は“生もの”。いわゆる空気振動で作られるもの。人間の聴覚に如何に訴えられるか?その場の空気で変わるとても繊細なものを扱っているという意識で臨んでいます。これが私のやりがいに繋がっています。“つらさ”という部分ではもう毎日のように感じています(笑)音を扱う仕事という部分ではやり直しがきかないですが、失敗してしまっても、これは自分の経験値を上げられる大切なプロセスだと思って、ポジティブに捉えています。
何よりもチームワークです。「one for all、all for one」一人は全ての為に、すべては一人の為に。これは自分一人の責任感と個人の力が上げることで、結果、チームワーク全体のレベルも上がるという事を実感しています。もっと具体的に言うと、アーティストを支える我々スタッフ系の職業は音響・照明、舞台スタッフなど多くの人たちと協力・連携して一つの舞台を作り上げているということを何よりも学んだように思います。
最初のうちはプロとして役立つ人材になれるのだろうか?という不安に駆られながら仕事をしていました。とにかく実際の現場は緊張感があります。先輩方の仕事はスピード感があり、それを目の当たりにしながら、ミスをしては先輩から叱責されたり、何故ダメなのか?色々なアドバイスを受けたり。そういう事を繰り返している内に経験値が上がり、いつの間にかそういう事も現場の空気にも慣れていき、気が付けば自分の仕事をしっかりこなせるようにまでなりました。
なかなか普段PAの機材を使ったりする機会はないと思いますが、そういった機材の使い方や知識は学べば身に付きます。今は色んな音楽に触れる。これを心がけてください。好きな音楽を聞くのももちろんいいですが、仕事にしていくとなると様々なアーティストや音楽ジャンルの音作りをしていくことになります。ですので、色んなジャンルの音楽を沢山聞くことが大事ですし、それが仕事の幅が広がることにも繋がると思います。