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取材協力 大阪芸術大学附属大阪美術専門学校
一口にフィギュアといっても関連する仕事の幅は広くあります。個人的な依頼から企業のマスコットキャラクターの立体化、フィギュアの代名詞でもあるアニメ、マンガのキャラクターの原型制作、アミューズメントパークや博物館等の展示物、キットやプラモデルの組立て、塗装に仕上げなどがあり、まずはクライアントがどの様な用途で立体化を考えられているのか綿密な打ち合わせをいたします。
仕事によっては立体化にあたり一方向からの平面のイラストから描かれていない部分の表現をどうするか、図面やスケッチを描くところからはじまる場合もあります。年間では通常の仕事に加え、イベントの出展、ギャラリーの企画展への出品のための作品制作等があります。大きなイベントとしては海洋堂主催のワンダーフェスティバルという冬と夏に行われるフィギュアの祭典があり、全国からモデラー、造形師、各メーカーが出展され繋がりを広げられます。
小さな頃から絵を描くのが大好きでイラストレーターになる事を夢見、専門学校で学び、プロへの道へ。20代はイラストレーターとして広告業界で様々な仕事に携わりました。30代の頃アメリカへ行った際、好きなイラストレーターさんが素晴らしいスタチューを制作されているのを知り立体に興味をもち、自身も作りたくなり独学で作りはじめました。
平面では表現できない事を立体にすることで、より伝えたい情報を盛り込むことができるところに魅力を感じ仕事へと繋がっていきました。
平面以上に立体は多くの仕事の場があり、それゆえより沢山の人の目に触れる機会があります。キャラクターものの量産品に携われれば、手に取って下さる方々も多く、沢山の感動を与えることが出来ます。既存のキャラクターのフィギュア化には沢山の人々が携わり、修正も何度か入り締め切りにも追われますが、世に出た時の喜びは計り知れません。
日頃心掛けていることはすべての分野に通じるところですが、野に咲く花や空、空の雲など日常で目にするあらゆる物に興味もって気にとめておくことで、次の仕事や作品のヒントになったり役立ったりします。視野を広げ自分の引き出しを沢山もつことが大切です。
ただ単に技術的な上達や上手さだけでなく、クライアントの要望をいかに表現できるかを、クライアントの意図を理解しより良くするための提案や制作物はどういう用途に使用されるのか、使用用途により素材や作り方も変えるなど素材の知識も見せ方ふくめ表現していくことが重要です。
いかにクライアントの要望をくみ取り、なおかつ自分らしい表現にするかが大切です。
仕事となればまず納期は絶対です。そのためのスケジュール管理が重要です。限られた時間の中での制作において効率よく制作をすすめていくためにクライアントとのコミュニケーション能力の大切さを感じます。打ち合わせ時には疑問に思うことは納得いくまで聞き、作業において迷いのない状態で望まないと、その迷いが作品にも出てきますので半端なものしか出来ません。コミュニケーションをしっかり取り、技術だけでなくクライアントの要望を理解し表現していくことの大切さを実感しました。
どの分野においてもいえる事ですが、描くこと造形することが好き!!という気持ちが一番大切です。そして沢山の事に興味をもって自分の引き出しを増やしていってください。特別なことはいらないです。日常の生活の中で美しいものや、面白いものを発見し興味をもつ、映画や音楽等に感動する。そういうところからセンスって磨かれます。それが表現に生きてきます。日常のささいなことにワクワク感を見出し楽しみながら学んでいってもらえればと思います。